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執筆者の写真aki

薬師寺天武忌奉納公演

10月8日、薬師寺天武忌奉納公演「薬師寺にこめた祈り 天武と持統 歌の物語」

(作、演出:川良浩和/語り・朗唱:大小田さくら子/舞:野口暁/ピアノ:下山静香/衣装:真砂三千代)

を無事にご奉納してまいりました。

薬師寺の食堂は、昨年、田淵俊夫さんの阿弥陀様と仏教伝来と薬師寺の壁画に彩られた伽藍として復興されました。 現代技術を活用することで広い空間を確保し、食堂を多目的に利用することを想定しているとのことで、300人余りの座席を設けての公演でした。


夜の万灯籠がつく中で、お練りをしながら食堂へ入りました。 阿弥陀様の前には、小倉遊亀さんが描いた天武天皇・持統天皇・大津皇子が(3日間だけの公開)お祀りされていました。 天武忌法要の中で、川良さんの脚本、さくら子さんの語り・朗誦、下山さんのピアノに合わせて、持統天皇の精として舞わせていただきました。 衣装はいつもお世話になっている真砂三千代さん。 30分の公演でした。

本番は食堂の空気と語りや音楽と衣装の調和の中で、不思議なことに全く緊張することもなくスルスルと身体が動いていきました。

入り込んでいたからか、天武天皇役であるさくら子さんが薬師寺創建の本意を語る場面で泣きそうになり、、、どうにか頬を上げて涙がこぼれないようにしました。

私自身が踊ったというよりも、持統天皇の魂が踊っていたようです。

天武天皇、持統天皇が揃って見守ってくださっていたと思います。

近年は天災も多く、各地で被害が出ています。

きっと古代の人々も、人知を超えた天災が起こるたびに、すがるような気持ちで一心に仏さまにお祈りし、薬師寺のような立派なお寺が建てられ、今まで続いてきたのかも知れません。

それはいつの時代も変わらない人間の姿。

私ごとではありますが、

震災後から、葉山や鎌倉で大小田さくらこさんからやまとかたりを学び続け、今年からはさくら子さんが私の故郷である奈良に越されました。

また、私の父は、薬師寺からほど近い西の京病院で息を引き取りました。

父が一年余り入院している間に、薬師寺にもなんどもお参りし、川の辺りの綺麗な桜並木を散歩したりしていました。

ご縁も自然の一部。

人の考えでは計り知れないものです。

奉納の翌日、朝5時半からの勤行に参加しました。

毎日行われている行。お薬師さまはじめ全ての伽藍を歩いてまわり、お経を唱えます。

ピンとした朝の空気、お坊さん方の無駄が省かれた動き、朝焼けの透明感のある淡い色あい。

昔の人も同じようにこの空を見ていたのかなと想いを馳せてしまう、本当に美しい空でした。

みなさんが心安らかに、平和でありますように。

※写真は許可をいただいて撮影したものです。普段は撮影禁止です。

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